2010/06/12

連続小説「妄想バイオアトラクション」第1話

誰もついてこれない。コメントできない。わがままな文章。たまにはそんな文章も書いてみたいのです。という訳で、いきなりですが連続小説始めます。(笑)

読みたい、と思う人は、どうか、お気楽に。

●連続小説「妄想バイオアトラクション」第1話●


バイオ4がプレイしたくて買ったWii。そして初めての3D酔い。映画館で3D映画見ても全然酔わないのに!何故!?

生活に全く困らない苦悩。

「バイオ4がプレイしたいんだよっ!」

そんなどうしようもない憤りを感じつつ、気がついたら、頭の中に、バイオのアトラクションが生まれていた。

入口は、うっそうと茂った木々で覆われている。雰囲気は、どことなく枯れている。

いや、枯れ切っているのすら超えていて、まるでこの世じゃない雰囲気だ。

中へ入ると、吊り橋が。どこからか、犬の泣き声も聞こえる。スタート地点には「この先、村中央」の看板・・・。

どこかで見たような!?そう思うと、声が聞こえてくるのだ。

「アガレロ!」「オイコラステロ!」「アリエスタ!」

どっかで聞いたことあるなぁ。

そんなことを思いつつ、とある木造チックな家の中へ入る。

すると何やら聞いたことある機械の音。そう、あれはチェーンソーの音だ!

リアル等身大チェン男さんが、いかにも機械的な、いかにもアトラクションな動きで迫ってくる。

とりあえず2階へ上がる。途中で、ショットガンと手榴弾を見かける。

「そういえばあったよね。」

なんともリアルな仕掛けのあるアトラクションだ。その間にもウィンウィンとしたチェンソーの音が、このアトラクションの館内に轟く。

「こだわってるなぁ。チェンさんに。」

そんなことを言いつつ、とりあえず窓から出て(出れたのだ。だまし絵みたいな構造の家である。)次のイベントルームへ向かう私たち。

カーン・・・コーン・・・カーン・・・。

鐘の音だ。「これもどっかで聞いたことあるし!」・・・そう。村人たちは、村長の家へ向かうのだった。

この辺は、等身大にまで再現させていたチェンさんとは裏腹に、影絵のような演出で表現されていた。そう。ただのコストカットである・・・。

この一連のイベントは、「アガレロ!」から始まり、鐘の音で終わる。それが、このアトラクションの稼働中、延々と続いているのだった。

気がつくとあたりは真っ暗に。粋な演出。ジリジリと、何か、導火線に火がついたかのような音がする。

「これって・・・」「農場の・・・・」

そう。伊藤さんだ。ダイナ=マ=イトウ。言わずと知れた、日系3世。

ボーーーン!ダイナマイトが炸裂する。真っ暗だったあたりが、一気に明るくなる。

「そこまで演出しなくてもいいし・・・!」

とか言いながらも、もうすっかりこのアトラクションに激ハマりな私たちであった。

ボーーーン!ボーーーン!

ダイナマイトが響く音。先ほどの「アガレロ!」とかいうよく分からない叫び声があったことなどは、すっかり吹き飛んでしまっていた。

しかし、よく耳を澄ますと、「コココココ・・・・」なにやら動物じみた鳴き声がする。

「あ。これって!」

コケーーーー!コッコ・・・・

「に・わ・と・り・じゃん!?」私たちは、思わず顔を見合わせた。

「たまご!たまご!どっかにあるよ、探してみよ!」勝手に ”たまごありき” なムードになる私たち。

そう。私たちは、「バイオ4」をこよなく愛する者たちである!(紹介が遅いぞ!)

とある日。職場で、私はふとため息をついていた。

「どうったの?ため息なんかついちゃって。」

いつも嫌な顔一つせず、私の愚痴を聞いてくれるMちゃんである。

「Wii買ったじゃん・・・」

だからどうしたんだ!?と、不思議そうに私の顔を覗き込むMちゃん。

「買ったじゃーーーん・・・・」

そこから先になかなか話が進まなかった。しかし勘のいいMちゃんは、すかさず

「酔っちゃった、とか?」

すごい!Mちゃんはとても勘の鋭い子である!

「私は何のためにWiiを買ったのかと・・・」

すぐに察してくれたMちゃんは、すかさず私をこのアトラクションに誘ってくれたのだった。

「動画を見たのなら、だいたいの世界観は分かってるんだよね?」

うん。とってもよく。エンディングもね。・・・まだ全然、私自身は先に進んではいないけれど。

そんな日のことを思い出しながら、気がつくとトンネルの中を歩いていた。

ところどころ、上の方にピカピカ光っているものが見える。手が届かないのがもどかしい。

「スピネル(お宝)か!?」

「しかし、これってバイオ4だけのアトラクションなのかなぁ?いきなりリッカーとか、やめてほしいんだけど!」

「カラスいないよね、カラスどーした?おーい。からすぅー」

どことなく、こんな私語も響き渡る。まだまだ余裕である。

ただのトンネルだが、声の響き方から察するに、なかなか資材と設計にこだわりがあるアトラクションのようだ。

「スピネルあるってことは、武器商人もいるんだよね。きっと・・・」

そんなことを話しながらも、にわとりの卵が落ちていないかどうかがいつまでも気になりつつ、足元を注視しながら進んでいった。

「レオンは、こんなところを、いつも一人で歩いて・・・周りは敵しかいなくて・・・」Mちゃんが気分を盛り上げる。

「わたしがいるよー!ここにいますよー!」

「何言ってんの、あんた・・・」

トンネルの中で、ふと我に返ると同時に、どうしようもない究極の孤独感を感じたのか、無理をして明るい口調で出たセリフが、誰に対して、と言うわけでもなく自然に、ひとり言のように、無意識に出ていた。

「わたしがいるから!」・・・意味不明である。

訳の分からない場所で、ひとり。

友人もいない。家族もいない。先生もいない。教授も、上司も、同僚も、先輩も、後輩も。

誰もいない!自分しか頼れない!周りは敵しかいない!しかも人間じゃない!

そして、寄ってたかって、こっちに向かって来やがる!

私たちは、もうすっかりこの世界の中へ入り込んでしまった。

<第2話へつづく・・・のか!?>

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