ラベル 妄想バイオアトラクション の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 妄想バイオアトラクション の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2010/06/12

連続小説「妄想バイオアトラクション」第2話

誰もついてこれない。コメントできない。わがままな文章。たまにはそんな文章も書いてみたく。という訳で、読みたい、と思う人は、どうか、お気楽に。

●連続小説「妄想バイオアトラクション」第2話●


トンネルを抜けると、岩の壁で囲まれた一本道に入っていた。

「すごい臨場感だねー」

「むしろ、この岩の壁、思いっきりアトラクション風味じゃないか?どこかで見たことあるような、このゴツゴツ感・・・」

「これって、もしや」

ゴロゴロ・・・・!巨大な岩が頭上を転がっていく!

「インディージョーンズ!」思わず声を揃えて口走る。

「さすがに、お客様を岩でつぶそうとはしないよね」

「雰囲気。雰囲気。」

巨大な岩は、頭上を一旦通り過ぎると、一旦消えて、また頭上を通っていく。

どんな仕組みなんだろう?

・・・そう思うのもつかの間、気がつくと、足元の感触がフワリとした絨毯を捉えた。

「赤い!」「赤い絨毯!」「憧れの、セレブ絨毯!」

不気味ながらも自然物に囲まれた世界から、一気に人工的な空間へ包み込まれた。

と同時に、般若心経のような、男たちの不気味で低い声が轟き始める。

「ぎゃーてーぎゃーてー」「はらぎゃーてー・・・」

私たちは、ちょっとふざけてはいたものの、なんとなくMちゃんの様子がいつもと違うことに気がついた。

「大丈夫?」

「・・・ん。」

ちょっと怖さを感じていた私は、ひそかにMちゃんを心の支えとしていた為に、口数少なくなってしまったMちゃんをどうしてよいか分からず、ふと不安に襲われてしまったのだった。
しかし、そんな気分を蹴散らすがごとく、明るい口調で話しかける。

「Mちゃ~ん。ココ、古城だね!やっと、ベリィが出せるところだよ!」

「んー・・・・」

さっきまで、勇ましく、たくましく、頼もしく、足取り力強かったMちゃん。どうした、Mちゃん!?・・・とは思いつつも、なるべく平常心を保とうと心がけていた。

(いつも頼ってばかりいて、ごめんね、Mちゃん。いつもと様子が違うけど・・・わたしがいるから!)そう思いながら

「お!赤服!これまた堅そーな生地・・・芸が細かい!」なるべく明るい口調で話しかける。

「んー。」

「赤服は等身大なのに、その他大勢さんは、遠くからこっち向いてるだけだねぇ」

村人たちの影絵と同じく、こちらもまた、遠近法をうまく利用したコストカット作戦なのだろう。

黙り続けるMちゃんだったが、そうこうしているうちに、このアトラクションもクライマックスに近づいてきているのを感じていた。

赤い絨毯と、般若心経と、赤服邪教徒と、遠くのその他大勢さんを見送りつつ、なにやらひんやりとした風が、向こうの方から吹いてくるのを感じた。と同時に、武器商人のコスチュームをまとったお兄さんたちが、次々と来るお客さん達を、なにやら乗物に誘導しているのが見て取れた。

「ゥ~ウェルカム!ってか?」

「まさかの武器商人!ここにいたか!」

「おお!スプラッシュマウンテン!」

「カリブの海賊!」

しばらく黙りこんでいたMちゃんも、思わず大きな声を挙げていた。

「すごーい!本格的やないかい!ここ、あの湖じゃないかい!?」

「巨大フィッシュが引っ張ってるのかなー」

「暗くてよく見えないや」

「伊達にお金とってないね」

このご時世である。某遊園地内でも、フリーパスで入れるわけではなかったのだった。特別施設としての、一風変わった公開だったのか、スポンサーが少なかったのか、大人の事情は定かではないが、1回につき1500円かかるアトラクションなのだ。いわば、約、映画1本分。気軽に、何も知らない、ホラー耐性がない人やお子様などが入ってしまうのを防ぐためだろうか?

始終、歩いて移動すると思い込んでいただけに、スプラッシュマウンテンばりの、水に浮かんだ船に乗ると分かった瞬間、テンションが一気に上がっていく。

まさかの豪華な乗物登場に、ここがド田舎の広大な敷地に建てられている、普通の遊園地であることを忘れていた。ディズニーランドに来ているかのようなワクワク感を感じ始めていた。

「バイオと言うより、完全バイオ4の世界だよ、こりゃ」

「ゾンビ、まだ1体も出てきてないね」

「でもアレも出てきてないね・・・寄生体!」

「絶対、檻の中にガラドールいると思ったけど・・・コストカットで登場なし、かな・・・」

「サラザールじぃさんもいないし、アシュリーもいないね」

「まさかのハニガン、ついに上半身だけじゃなく、場に似合わずスーツ姿の等身大で来るかなーなんて思ったけど」

「ブラックバスいるかな」

興奮のあまり、全然会話がかみ合っていなかった。お互いに、思ったことをただ口走っていた。

「けっこう人がいたんだね」

スプラッシュマウンテンばりの船搭乗待合広場で、次の船が来るのを、今か今かと待ち望んでいた。

<第3話に・・・続けられるか!?>

連続小説「妄想バイオアトラクション」第1話

誰もついてこれない。コメントできない。わがままな文章。たまにはそんな文章も書いてみたいのです。という訳で、いきなりですが連続小説始めます。(笑)

読みたい、と思う人は、どうか、お気楽に。

●連続小説「妄想バイオアトラクション」第1話●


バイオ4がプレイしたくて買ったWii。そして初めての3D酔い。映画館で3D映画見ても全然酔わないのに!何故!?

生活に全く困らない苦悩。

「バイオ4がプレイしたいんだよっ!」

そんなどうしようもない憤りを感じつつ、気がついたら、頭の中に、バイオのアトラクションが生まれていた。

入口は、うっそうと茂った木々で覆われている。雰囲気は、どことなく枯れている。

いや、枯れ切っているのすら超えていて、まるでこの世じゃない雰囲気だ。

中へ入ると、吊り橋が。どこからか、犬の泣き声も聞こえる。スタート地点には「この先、村中央」の看板・・・。

どこかで見たような!?そう思うと、声が聞こえてくるのだ。

「アガレロ!」「オイコラステロ!」「アリエスタ!」

どっかで聞いたことあるなぁ。

そんなことを思いつつ、とある木造チックな家の中へ入る。

すると何やら聞いたことある機械の音。そう、あれはチェーンソーの音だ!

リアル等身大チェン男さんが、いかにも機械的な、いかにもアトラクションな動きで迫ってくる。

とりあえず2階へ上がる。途中で、ショットガンと手榴弾を見かける。

「そういえばあったよね。」

なんともリアルな仕掛けのあるアトラクションだ。その間にもウィンウィンとしたチェンソーの音が、このアトラクションの館内に轟く。

「こだわってるなぁ。チェンさんに。」

そんなことを言いつつ、とりあえず窓から出て(出れたのだ。だまし絵みたいな構造の家である。)次のイベントルームへ向かう私たち。

カーン・・・コーン・・・カーン・・・。

鐘の音だ。「これもどっかで聞いたことあるし!」・・・そう。村人たちは、村長の家へ向かうのだった。

この辺は、等身大にまで再現させていたチェンさんとは裏腹に、影絵のような演出で表現されていた。そう。ただのコストカットである・・・。

この一連のイベントは、「アガレロ!」から始まり、鐘の音で終わる。それが、このアトラクションの稼働中、延々と続いているのだった。

気がつくとあたりは真っ暗に。粋な演出。ジリジリと、何か、導火線に火がついたかのような音がする。

「これって・・・」「農場の・・・・」

そう。伊藤さんだ。ダイナ=マ=イトウ。言わずと知れた、日系3世。

ボーーーン!ダイナマイトが炸裂する。真っ暗だったあたりが、一気に明るくなる。

「そこまで演出しなくてもいいし・・・!」

とか言いながらも、もうすっかりこのアトラクションに激ハマりな私たちであった。

ボーーーン!ボーーーン!

ダイナマイトが響く音。先ほどの「アガレロ!」とかいうよく分からない叫び声があったことなどは、すっかり吹き飛んでしまっていた。

しかし、よく耳を澄ますと、「コココココ・・・・」なにやら動物じみた鳴き声がする。

「あ。これって!」

コケーーーー!コッコ・・・・

「に・わ・と・り・じゃん!?」私たちは、思わず顔を見合わせた。

「たまご!たまご!どっかにあるよ、探してみよ!」勝手に ”たまごありき” なムードになる私たち。

そう。私たちは、「バイオ4」をこよなく愛する者たちである!(紹介が遅いぞ!)

とある日。職場で、私はふとため息をついていた。

「どうったの?ため息なんかついちゃって。」

いつも嫌な顔一つせず、私の愚痴を聞いてくれるMちゃんである。

「Wii買ったじゃん・・・」

だからどうしたんだ!?と、不思議そうに私の顔を覗き込むMちゃん。

「買ったじゃーーーん・・・・」

そこから先になかなか話が進まなかった。しかし勘のいいMちゃんは、すかさず

「酔っちゃった、とか?」

すごい!Mちゃんはとても勘の鋭い子である!

「私は何のためにWiiを買ったのかと・・・」

すぐに察してくれたMちゃんは、すかさず私をこのアトラクションに誘ってくれたのだった。

「動画を見たのなら、だいたいの世界観は分かってるんだよね?」

うん。とってもよく。エンディングもね。・・・まだ全然、私自身は先に進んではいないけれど。

そんな日のことを思い出しながら、気がつくとトンネルの中を歩いていた。

ところどころ、上の方にピカピカ光っているものが見える。手が届かないのがもどかしい。

「スピネル(お宝)か!?」

「しかし、これってバイオ4だけのアトラクションなのかなぁ?いきなりリッカーとか、やめてほしいんだけど!」

「カラスいないよね、カラスどーした?おーい。からすぅー」

どことなく、こんな私語も響き渡る。まだまだ余裕である。

ただのトンネルだが、声の響き方から察するに、なかなか資材と設計にこだわりがあるアトラクションのようだ。

「スピネルあるってことは、武器商人もいるんだよね。きっと・・・」

そんなことを話しながらも、にわとりの卵が落ちていないかどうかがいつまでも気になりつつ、足元を注視しながら進んでいった。

「レオンは、こんなところを、いつも一人で歩いて・・・周りは敵しかいなくて・・・」Mちゃんが気分を盛り上げる。

「わたしがいるよー!ここにいますよー!」

「何言ってんの、あんた・・・」

トンネルの中で、ふと我に返ると同時に、どうしようもない究極の孤独感を感じたのか、無理をして明るい口調で出たセリフが、誰に対して、と言うわけでもなく自然に、ひとり言のように、無意識に出ていた。

「わたしがいるから!」・・・意味不明である。

訳の分からない場所で、ひとり。

友人もいない。家族もいない。先生もいない。教授も、上司も、同僚も、先輩も、後輩も。

誰もいない!自分しか頼れない!周りは敵しかいない!しかも人間じゃない!

そして、寄ってたかって、こっちに向かって来やがる!

私たちは、もうすっかりこの世界の中へ入り込んでしまった。

<第2話へつづく・・・のか!?>