長い間まともに教えてもらえなかった音楽理論に加えて、そもそも音楽って何?といった音楽そのものの理解、捉え方、体の構え方、手の動かし方、ペダルの踏み方。
教えてもらいたいことは山ほどありますね。
私自身も、ピアノを楽しむ1個人として、いろいろ考えながらの暗中模索な時期がありました。
そのほとんどは、実は、親からお金を出してもらっていた時期ではなく、独学を始めた20歳前後から数年間勝手に勉強しました。ピアノが好きになったのは13歳の頃でしたが、本当の意味で自立した精神で弾き始めたのは20歳前後からで、気持ち的にはかなりのスロースターターだったんです。
それまでは、ひたすら楽譜を鍵盤に落とす作業で精いっぱい。今思えば、楽曲を再現することに徹することと、筋肉のトレーニングがメインだったような気がします。
それもそれで方法論のひとつなのでしょう。けれど、こういったピアノのトレーニングばかり積んでいると、結局後には変な筋肉しか残りません(笑)。
手が動くようになるのはいいのですが、ピアノレッスンは、ピアノを弾く「頭」を作ることと、筋肉トレーニングの2刀流がベストではないでしょうか?
頭だけでも、体だけでも駄目です。常に音楽全体を把握する、オーケストラでいうところの「指揮者」な部分が常に自分を支配しているような気持ちがなければいけないのです。
ピアノ弾きって、指揮者であり、かつ楽器演奏者でなければいけないし、バンド組んだ時には、音の厚みの中での足りない楽器を全て補うかのような存在、縁の下の力持ちにならないといけなかったりします。
それはさておき。かつて、外国人の先生の、1時間1万円のレッスンを受けたことがあります。
今付いている先生が外国に留学していた時に、主にピアノ演奏のレッスンで付いていた先生です。
その先生がとある仕事で来日し、ついでに空いた時間を利用して、単発の特別レッスンをしてくれるとのこと、これは受けない手はないな、と思い、レッスンを受けてみました。
経験豊富な外国人先生のレッスンにしては、1時間1万円は安い方なのだそうです。
価格はともかく、そのレッスン内容は、とても新鮮なものでした。
先生は常に「Question→Answer」という説明で、音楽理論的な難しい内容を、とても易しく説明して下さいました。音楽は常にQ&Aで成り立っているという理解の仕方が新鮮でした。
何かを投げかけて、それに対する答えを導き出す。という繰り返して音楽が進んでいくというのです。
「この音は何のためにあると思う?」というのもよく聞かれました。そういった、曲の分析(アナリーゼ)を、理論的には難しく説明されることを、何気ない言葉で説明されるのです。
加えて、鍵盤に対する手の置き方(タッチ)や、姿勢、曲に対する気の持ちよう、レッスンしてもらってる曲の作曲家の話などを、改めて総合的に教えてもらいました。
まさに、理想的な「頭」と「体」の2刀流レッスンです。Bodyタッチがとても多いレッスンでもありました。
曲の雰囲気を説明するにも、「Stand Up」と言われ、一時ピアノから離れ、先生と二人で立って、体全体で言葉で言えない表現的なものを体感するような感じです。
いつも付いている先生も通訳として傍にいてくれたのですが、レッスンは全て英語とフランス語のちゃんぽんでも、不思議と言葉の壁を越えて理解しやすいレッスンでした。
易しい言葉で教えてくれる音楽理論と、体の使い方を同時進行で教えてくれることは、きっとピアノレッスンの理想的な形だと思います。
私も、「もし自分がレッスンするとしたらどうするだろう?」と考えてしまいました。
生徒さんの音楽的な経験にもよると思いますが、やはり「理論」という言葉に怖気づかないように、あくまで視覚的、聴覚的に理論が学べるピアノの鍵盤を使った音楽の基礎知識と、実際に手や腕をどうやって動かすのかといった筋肉的な話の2刀流になると思います。
私自身は、幸い、音楽理論のほとんどは、音と手の動き、ピアノの鍵盤そのもので体感的に習得してしまいました。ですから、机の上で音階や和音を説明されてもいまいちピンと来ません。きっとペーパーテストを受けても不合格になりそうな勢いです。
ほとんどは音楽そのもの、手の動きそのもの、ピアノの鍵盤そのものに答えがあると思っています。「音楽理論」といっても、そんなにビビルことはないと思います。
むしろ、音のない世界で、紙の上だけで勉強するような理論を叩き込んでも、なかなか頭に入らないと思います。
「ドレミファソラシド」は鍵盤と音と手の動きで体得すればいいのです。
それと私個人的な話になると、実はピアノ以外の楽器もかなり経験があります。
リコーダーと打楽器(マリンバと小物打楽器とリトミック)は、ピアノを再開する前後の数年間レッスンに通っていたことがあります。なぜかこの時期は、打楽器が好き過ぎて、ピアノサークルに入っていた時に、アンサンブルする際は、いつも打楽器担当を買って出ていたほどです。
クラシックギターも遊びでやっていました。カラオケにも相当時間とお金をかけて通っていたことがあります(笑)。
高校時代は部活でトランペットを吹いていたし、大学時代は1年間だけ興味本位でオーケストラサークルに入りコントラバスを弾いてました。
リコーダー、打楽器、ギター、トランペット、コントラバス(ベース)、そしてカラオケ。
一体どんだけ音楽が好きなんですか?って勢いですね。
けれどそういった経験も含めて、ピアノだけは小さい頃から、趣味というより生活の中の習慣として弾き続けてきました。ピアノ以外の楽器の経験は、とてもピアノの理解に役だっていると思います。
結局、私自身「音楽全般」が好きなんだな、というのが自己分析結果です。
それはさておき、もしピアノのレッスンを自分がするとしたら?といろいろ考えてみました。
・ピアノを使った音楽理論(つまり基本)主にスケールやコードの知識&ピアノを弾く体づくり(謎)
・歌か、易しいメロディ楽器(リコーダーや鍵盤ハーモニカ)を使ったメロディの理解
・好きな曲を弾く(曲の分析も含む)
・ピアノの理解に役立ちそうなライブやコンサートを紹介したりCD聴いたり
(音楽全体を理解するため)
こんな感じでしょうか?いつも自分で自分に課す練習内容に近いです。「ピアノを弾く体づくり(謎)」これに関してはいづれブログで話題にしたいと思います(謎)。
メロディ楽器でメロディ吹いたり歌ったりすると、自然とブレス(呼吸)するので、音楽の理解にとても役に立つと思うんですよね。ピアノにも歌と同じような呼吸法みたいなものがあると思います。
メロディには自然の流れというものがあります。ピアノだけ弾いてるとそれが分かりにくくなることが多々あります。要するに「フレージング」ってやつの理解です。私自身も自発的に自分でよくやります。
あおみどりさんちのレッスンでは、練習曲などの筋力トレニーングに特化した内容はほとんどしません。
ちょっとアドバイスして、家で自分でやってもらうだけ。要するに筋トレなので、練習曲は特に立派に完成させる必要もありません。
自分で弱いな、と思う運動的なことを繰り返すだけなので、曲の完成よりも、練習するその「過程」こそに意義があるものだから、自発性にお任せです。時々、聞いてもらいたければ聞いてアドバイスをあげることにします。
また、ピアノは他の楽器に比べて、全体を把握する指揮者のような頭を作らないといけないですし、頭も体もやることがたくさんあります。
そして、いづれは先生の元を去って、音楽的な自立をしていただくための手助けが理想的なレッスンだと言っていた本もありました。いつまでも先生に付いていないといけないようなレッスンではダメだということでしょう。
音楽理論は先生を超えてアーティストになるための手助けのようなものではないかと思います。坂本龍一も、小室哲也も、モーツアルトもショパンも、みんな通ってきた道。思うほどそんなに難しいことではないので、頭でっかちにならない程度に、ある程度は体に叩き込んでいただきます。そうすることで、弟子はいつだって師匠を超える可能性がグッと高くなると思うからです。
どうでしょうか?あおみどりのピアノレッスン。
特別なことは何もないけれど、自分で書いてて思いますが、ゼロからこれを教えていくってけっこう大変ですね。全国の世界のピアノの先生たちの辛抱強さは計りしれません。
つい、教えやすさから練習曲に頼ってしまうのも、今となってはなんとなく分かる気がします。
あおみどりの場合、自分で自分を鍛えるための練習メニューみたいなことや、結局は全て自分のために時々客観的に考えているだけですが、それでも20年以上の経験から実感してきたコツやヒントのようなものが、少しでもピアノ好きな皆さんの手助けになれれば幸いです。
そして、できれば私にも何か教えてください。
<次回に続く!?>
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返信削除いろいろ間違えていたので削除して再コメントです。。
返信削除「ピアノ」あらためて奥が深い楽器ですね。
拝見してますと、自己流の特権でもあり、最大の問題点は、いやな事はしないと言うものでしょうか(笑)
やはりこれまで自分が逃げてきた事はとても重要な事なのだと思います、、、(^^;)右手だけ弾くとか、左手だけ弾くとか、意識的に避けてきました。
メロディー楽器のブレスなどは本当フレージングには役に立つでしょうけど、今更他の楽器は大変なので、メロディーは「歌」を歌いながらと言う方法をやってみようと思っています。
この音は何のためにあるのか?とかいうレッスンはいいですね。その曲の作曲家の想いや背景なども頭に入っていると出てくる音も全然違うのでしょうね。
あまり難しく考えないで、楽しんでやっていきたいものですが、弾けないとイライラします(笑)
ピアノを弾くための体力作り・・・
これはやはり気になりますね〜〜^^
確かに、理想と現実の狭間で右往左往の日々です。今日もまた、ピアノの練習について書いていたことを、まとめてみました。
返信削除右手、左手、片手づつ、パートごと、または左手はベース音だけ&右手もメインメロディーだけ、など、とにかく分解と分析は、良い演奏を作ると思います!
音楽は基本「歌」だと思うので、歌うので十分だと思います。生まれ変わったら歌手になりたいな、ってくらい、実は一番歌手がうらやましいです。
でも、ピアノはひとりでも完成度の高い音楽を再現できるのでとっても便利ですよね。ほんと、ハマります。やることが多すぎて、時間がいくらあっても足りないくらいですね。
体力、というより、体作り・・・これもピアノのようなデッカイ楽器相手にするには欠かせない要素のように思えます。ピアノ以外の運動、有酸素運動などをどんどんするといいかもしれないですね。
とにかく、練習のひとつの芸術、ととらえ、個性的な練習方法を考えてみるのは面白いです。