「エチュード(練習曲)弾いてみるか」
という気持ちになりました。
小さい頃は、とにかくまともに、与えられた練習曲を弾こうという気にならず、好きな曲だけ弾いていました。
その結果、当然のごとくピアノの腕は未熟のまま、9歳ごろにはピアノのレッスン的には最悪の時期で、先生から「辞めたら?」といわれる始末。
でも何を思ったか私は泣きながら「辞めません」と告げました。今でも色濃く覚えている、ピアノ的に暗黒時代の自分史です・・・・。
先生の前で泣くって、9歳の私でもけっこう恥ずかしかったんですが、ピアノ自体は嫌いじゃないのに、なんで辞めないといけないのか、単純に混乱してワケ分からなかったんです。
そして先生を変えました。
だから、”ピアノのレッスン”といえば当然のごとくみんなが口にする練習曲、バイエルとかツェルニーとかハノンなんか、まともに練習しませんでした。よく怒られたもんです。(^。^;
しかし小さい頃から、かなり気が長~~い性格だったのか、逆ギレなんて一度もしないで、厚かましくもレッスンに通い続けてました。
そのおかげ?か否か、先生の方が先に折れてくれて(ゴメンネ先生)なんやかんやで、嫌いな練習曲はレッスンで取り上げなくしてくれたのです。
私をピアノ技術的に救ってくれたのは、クラシックの王道、古典のバッハとヘンデル先生の曲でした。
ハノン嫌い、ツェルニ嫌い、バイエルなんてやったことない、ソナチネも嫌い、そんな私は、なぜかバッハとかヘンデルとかはやる気になったのです。
とくに、ピアノ技術的に私を、「練習のとりこ」にした曲は、バッハのインベンション1番、という曲でした。
右手も左手も同時にメロディー弾く、ってのに新鮮味を覚えたのです。
私の周りのピアノ弾きたちは、みんなバッハが嫌いだったみたいで、むしろツェルニーが好きだったみたいでしたが、私はバッハの方が断然好きな子供でした。
それが、のちに、大好きなドビュッシーの曲を与えられるようになるきっかけとなり、いわゆる遊びじゃなく、”ピアノの練習の王道”を歩み始めたのは、13歳になってから。
古典のバッハの曲で、本当の練習に目覚めたのは11才頃。すると、4歳から遊びでやって、7~9年後にやっと普通の王道を歩み始めたのです。
ピアノ始めてても3~5年くらいはウダウダしてたことになります。
それもそのはず。そのころはもっぱら、Popsやアニメやゲームの曲にばかり関心があったんです。子供だから当たり前っちゃー当たり前か。
11歳の転機、13歳で目覚めるまで、ピアノなんて、単なる生活の中でのちょっと苦痛を伴った習慣にすぎませんでした。
不思議と辞めようとは思っていなかったのは、今思うと、一晩寝れば嫌なことはたいてい忘れてしまう、おめでたい性格だったからかもしれません。
それと、黙って月謝を払ってくれた両親のおかげとしかいい様がありません。
13歳からの練習の中心は、ほとんどがドビュッシーの曲でした。当時のクラシック的な練習としては、
・音階と和声~スケールとアルペジオ、カデンツ(和声進行)
・バッハ(古典)
・ドビュッシー&ラヴェル(近現代音楽)
この3点セットがメインメニューでした。
中学生時代、合唱祭などではいつも伴奏者で、歌謡曲の楽譜をgetしてなんとなく遊びで弾いたりはしていましたが、クラシックピアノの面白さに一番ハマっていたのはこの時期。
高校生時代も相変わらずドビュッシー、バッハ、さらに進んでラヴェルの曲を弾いてましたが、17歳の手前くらいに先生が出産するため一時先生を変えなければならず、それがきっかけにもなり、17歳で長い長いレッスン通い生活が終わりました。
10代最後、ピアノの発表会で、人前で弾いた曲は、モーリス・ラヴェルの「水の戯れ」。今の自分でも難しくて、よくもまぁ当時練習したもんだ、と思います。
17歳からしばらくはピアノから遠ざかってしまいました。高校生時代はブラスバンド部で、トランペットを吹いていたのです。高校時代は映画音楽が大好きで、一度はバンド内で吹いてみたかったんですね~。
そしてなんやかんや言って時間が経ち、すっかり大人になってしまったあと、ちょっとした出会いがあり、偶然にもピアノサークルに参加したりしてまたピアノ生活を始めたのです。
そして愕然!手が動かない~。昔弾けてた曲が弾けない~。
中学生ころの自分に逆戻り。
そして偶然の出会いもあり、とある個人の先生へ、不定期にレッスンを申し込むことにしたのです。ピアノを再び、王道的に習おうと決心したのです。
遊びで弾くことはいくらでもできます。
でも、最近になって、やっっっっっっっと、クラシックピアノの最高峰!?ピアノ界のチョモランマ的存在の、「ショパンのエチュード」が弾きたい!と思えるようになりました。
とはいえ、最初は、「私には無理」と思ってました。
でもいま付いている先生から「完成させようとしなくてもいいから、弾いてみれば~?」と軽~く言われて、弾くことにしたら、意外に、これが、イケたのです。
下手ですよ・・・・でも、イケる!という手ごたえを感じました。
難しいですよ・・・・でも、弾きたい!という情熱がやっと生まれました。
何事も、技術を向上させようとしたら、それなりにやらないと無理なのですね。明らかに、エチュードをやるようになってから、素人の自分でも
「なんか技術が上がったきがする。前は弾きにくかったものが、弾きやすくなったような気がする」
という確かな感触を得ました。これがさらに、「エチュード弾く気になった」気持ちに拍車をかけることになりました。一種のスポーツマンシップにも似て。
現在は、ドビュッシーのエチュード1番(5本の指のための練習曲)と並行して、ショパンのエチュード(特に「蝶々」って曲)を何曲かチョイスして弾いていますが、こうなると、エチュード三昧の生活ですね。
昔のエチュード大嫌いな自分からは想像もできないありさまです。
自分だけの勝手な判断で「無理」と避けていると、出来ることだってできずじまいなんですね。
また自分以外の人から、「やってみればいいじゃん!」と軽~く言われると、けっこうその気になっちゃう自分の軽さ(笑)もあっての、今のエチュード生活なのかもしれません。
どんな世界でも、小さなことでも、とりあえずやってみたら、意外にイケる!
っつーことですな。それがここ数年の最近の私の場合は、
登山 と ショパンとドビュッシーのエチュード
でございます。ですから、このブログの名前も略して”山p”です。さぁ、今日もガンガン弾いてやるぜ!!
楽しく読ませていただきました(笑)いきなりバッハとヘンデルが好きと言うのが、普通じゃない感じでいいですね(笑)私も今でこそ調律なんかをしておりますけれど、ピアノは小さい頃正式に習った事などなく、今となってはとても後悔しております。
返信削除調律勉強のきっかけは、ピアノを習っていた妹を捕まえてここはどう弾くの?三昧だったことでしょうか(かなり嫌がられていました^^;)いきなり、モーツアルト(トルコ行進曲)やエリーゼのためになんかを弾いて、へたくそなりに意外と弾けるもんだから、ちょろいもんよ!と世の中をなめまくってた子供でした(笑)
エチュードいいですね〜〜、弾きたいけど地道な練習がいやなので絶対無理です^^;
>ピアノトオトさん
返信削除そうですか~。いきなりトルコ、エリーゼとは!でも、そういう方が私は好きです。0からビッチリやっていくより、いきなり曲っていう方がモチベーション上がります。
エチュードは、たとえエチュードであっても、楽しい要素がないと続きませんね。ショパンとドビュッシーのは初心者向けではないから、そこへ行くまでは辛いかもしれませんが、ある程度弾けるなら断然楽しい練習曲です。
バッハ好きって少数派ですかね~?
10代のころは、もっぱらバロック音楽と、近現代音楽でした。その間の時代の方たちはすべて苦手、ショパンもベートベンも大の苦手で(^。^;それでもちゃんと弾けるようには一応なったので、要は自分に合った音楽と出会うことが大事な要素ってことでしょうね♪
やっぱり基礎ができていないとラヴェルとかドビュッシーとかはかなりきついですね〜〜〜^^; (もちろんショパンも)部分的に弾けたとしても表現力が全くついて行かず落ち込むだけです(笑)ほんとにうらやましいです!!
返信削除ベートーベンもあのしつこさと言いますか(笑)同じフレーズが多いので表現力がないと弾いていてもドンドン落ち込みます。曲も暗いですし・・・(笑)
>ピアノトオトさん
返信削除ども(^^)確かに基礎があっての近現代曲ですね(^。^;いまだに難しいです。でもクラシックの中では一番近現代曲が楽しいです。好きだとどんどん弾くようになるから、技術的にも上達の手助けになってますね。
ベートーベンは小学生の時から苦手で今もダメです。人が演奏してるのを聴くのは好きなんですが!