マニアック過ぎて、さすがの私も、脳が疲れる難解本でしたが、有用な情報がたくさんあるため、ちょっと紹介しておこうと思います。

本の厚みはこんなもの。
約1cm弱くらいで、横左から右への横日本語タイプの翻訳本です。しかし、Amazonで調べてみると、古本では格安で手に入る代物。持っておいても損はない。けれど、難解であることを覚悟しましょう!
Amazonページ;ピアノ ペダリング (ムジカノーヴァ叢書 (5)) [単行本(ソフトカバー)]
http://www.amazon.co.jp/dp/4943945074
内容はざっくりとこんな感じ。
その1.概論。
pedalはラテン語の「足(pes)」に由来するとか書いてあります。ピアノには足で操作する特殊な装置があり、それをペダルと呼ぶとかそんな感じで、歴史的背景と、機械的な説明を織り交ぜた、まさに概論がざっくりと1~2ページくらいで書かれております。
しかし。この1~2ページだけでも凄い結論的なことが書かれております。
演奏が100%成功したと言えるならば、そのうちの75%は、ペダルの正しい使用によるものである。(前後略)
上記の言うことが正しいなら、これはピアノ演奏者としては絶対に避けて通れない道!!
是非おっくうがらずに勉強してみることをオススメします。
けれど、ペダルの全てを、本だけで学ぶのは、当然のことながら、かなり至難の技であります。
その昔、ペダルのことを中心にレッスンしてもらったことが数回ありましたが、実際に、このマニアック過ぎる世界に、一度でも深く頭を突っ込んでしまうと、しばらく全然ピアノが弾けなくなるほどの深くでヤバイ、まるで、深海の世界です。見たことも無い深海魚を初めて見たような気分になること、請け合いです。
あまり神経質になりすぎてもいけないけれど、演奏の8割弱を左右するペダルのことなので、そこは辛抱強く堪える必要がありそうです。また、補足的ではあるけれど、この本の中には、過去に、実際に楽譜に記載されてきた、様々なペダルの指示法が載ってます。
こんな感じです。ごくごく一部ですが、まるでアラビア文字のごとく、西洋でも東洋でもない中東的な世界が展開されております。(西洋だけど。)
上記画像を見てみると分かるように、一口に「ペダルを踏む」と言っても、それは、コンポーザーにとっては、ただならぬ、生半可な指示ではないことが分かります。
いかに、音楽の作り手の意思を組み込んで演奏するか?気持ちに答えたいという気持ちもupしてくるではありませんか!(上記以外にも、本当はもっといっぱい紹介されてます。)
音楽の作り手がもうこの世にいない場合は、プレイヤーにとって頼みの綱は、楽譜と、口伝による伝統とのふたつの存在のみ。上記の画像はそれでもほんの一部でありますが、記号と言葉とで、コンポーザーが必死で何かを伝えたがっているのが分かります。
ピアノを習う時。独学の人には尚更ですが、ペダルのことを、どれだけの情報量で教えてくれるでしょうか?私の幼い時の記憶をたどってみると、それは全体のほんの1%くらいの比重だった気がします。多くても3%くらいでしょうか?
踏む。離す。踏む、離す。その繰り返しではあるものの、楽譜通りに踏んでいるかといえばそうでもなく、それもなかったとしても特にうるさく言われるわけでもなく。けっこういい加減な世界だったりします。
ここで、本の内容をすべて紹介することは致しません。
ただいえることは、本だけでこの世界を知ることはとても難解です。
たとえば、ペダルの踏み方には、私が知っているだけでも、これだけのものがありますので、ざっくりと箇条書きにしてみましょう。主に右足で踏むペダルですが・・・
・普通に下まで踏む。・ちょっとだけ踏む。・3/4くらい踏む。・半分踏む(半ペダル)・普通に下まで踏んだ後、半分離してまた踏む。・踏みっぱなしにする。etc。。。
そんな感じで、更に左足で踏むソフトペダルなんかも混合で使ったりもします。
それに加えて、鍵盤の打鍵のタイミングと、ペダルを踏むタイミングがズレたりもします。必ずしも鍵盤とペダルを同時に押す訳ではありません。
そんな世界にちょっとでもアタマを突っ込むと、本当に訳が分からなくなり、一定期間、アタマを冷やすべく、ピアノが弾けなくなって落ち込むこともしばしばありますが、その峠を通り越すと、確実に新しい音の世界が見えてくることは確かです。
そういう意味でも、難解ではあるものの、ぺダリングに特化したピアノの本を読んでみるのも悪くないかもしれません。ていうか、一度は読んでみましょう~!難解だけど。(><)